スリップオンだからサイレンサーだけでエキパイはいじらないので、簡単に交換できるかと思いきや意外と大変だったので「取り外し」「取り付け」に必要な工具や手順をレポートしたいと思います。
とはいえマフラー周りはボルトが焼き付いたり、錆びたりしていることが多いので、「ボルトがなめた、折れた」「サイレンサーがエキパイから抜けない、無理に抜こうとしてエキパイを痛めた」等、リスクとトラブルが多く実施は自己責任で、安全なのはお店にお願いすることだと思います。
<交換した車体>
ハーレーダビッドソン スポーツスター(XL883) 2004年式
※2004年式~2013年式のモデルは同様の手順で取り付けできるようです。
<必要なもの>
・マフラー(サイレンサー本体)
交換するマフラー。当たり前か、、
・インターコネクト ガスケット
マフラーと本体の連結管との接合部分に付けます。
・マフラークランプ
サイレンサーをエキパイに固定するためのクランプ
取り付けるサイレンサーに合うクランプを用意する必要有り。
※今回は標準サイレンサーのクランプが使えるのでそちらを流用。
・浸透潤滑剤(ラスペネがおススメ)
焼き付いて外れづらいボルトやマフラーをエキパイから外すのに活躍します。
・アンチシーズ
取付時のボルトの焼き付き防止に。
・軍手
とてつもなく手が汚れます
・タオルや毛布
取り外したマフラーを置いた時に傷付かないために
<作業に必要な工具>
・ラチェットハンドル
ボルトは相当固いので、ラチェットが無いと外すのは厳しいです
・1/2インチ ヘックスソケット
マフラー(サイレンサー)本体を外す、エキパイを緩めるのに使用。
・5/16インチ ヘックスソケット
エキパイガードを緩めるのに使用します
マイナスドライバーでも可
・9/16インチ ヘックスソケット
マフラークランプを緩めたり、外すのに使用。
※1/2、9/16インチはエクステンションバーでソケット延長するか、ディープソケットでないと作業が厳しい場所があります。
<目次>
事前準備
マフラー周りは高熱になるので、ボルトが焼き付いて外れづらいことが多いです。
他の方のブログでは無理に外してボルトが折れたというケースも有り、車体購入以来外したことがない自分はビビりまくりでした。
そこでできるだけスムーズに外すために、浸透潤滑剤を使用します。
世の中のオススメはワコーズのラスペネ。
WAKO’S(ワコーズ) ラスペネ・ミニ 180ml
これで外れなかったらアキラメロンと言う人もいる位。
ちょっとお値段はしますが、一度に使用する量もそれほど多く無いので一番小さい缶で十分足ります。
ホームセンターで556とかお安く売っていますが格段に効果が高いです。
ちなみに缶のサイズによって、噴射の仕方が変わります。
小さい缶はスプレー状に、大きい缶はビューって直線状に噴射します。
ビビリマンの自分は、作業の2,3日前から数回ボルトに吹き付けておき、作業の10分前位に再度吹き付けました。
結果としてラスペネ最強という評判に違わぬ驚きの効果。
購入して10年以上マフラーの熱にさらされて一度も緩めたことの無いボルトがあっさり緩みました。
マフラークランプのボルトは錆びていたこともあってか最初は固かったものの、裏側からもスプレーしたところ、こちらも問題なく緩みました。
※ボルトの緩め方のコツ
①ラスペネを吹き付けて10分程度放置する
②ボルトがなめないように、ソケットをボルトに押し込むイメージでラチェットで回します。
ここでうんともすんとも言わなければ、更にラスペネ注入してしばし待つ。
これを繰り返してもどうにもならなければ、大事故になる前にプロに頼むのが良いと思います。
③「カンッ」というボルトが緩んだ時特有の音がすれば半分勝ったも同然。
緩んだボルトの隙間からラスペネを更に吹き込んで少し待ってからボルトを回すとより安全です。
④ボルトを緩める時に、まだ引っ掛かり感が強いようであれば
ラスペネ注入→少しボルトを締める→ボルトを緩める といった作業を繰り返しボルトの溝にラスペネを浸透させながら少しずつ緩めると良いです。
マフラー(サイレンサー)の取り外し
<使用する工具>
ラチェットハンドル
ヘックスソケット
1/2、9/16インチはディープソケットの方が良いので、ディープソケットのものを用意するかエクステンションバーで延長します。
ディープソケット
エクステンションバー 差込角9.5mm
自分はディープソケットを持っていないので、こいつらを下のようにドッキングして使います。
合体ロボみたいでカッコイイ、、、か?
緩める・外すボルトの場所・順番、ソケットサイズは以下の写真を参考にしてください。
外れりゃ良いので順番は必ずしもこの通りでなくとも良いと思いますが
リア側のマフラーから外さないとやりづらいです。
①エキパイガードを緩める(外す)
サイレンサーを外す際に作業しづらいので、エキパイのガードを緩めておきます。
戻す時に少し面倒ですが、外してしまうと更にやり易いと思います。
5/16インチ ヘックスソケットまたはマイナスドライバーを使います。
②マフラークランプを緩める
サイレンサーを外すために緩めておきます。
右のボルトはサイレンサーを抜く時にエキパイが少し動くように緩めます。
左のボルトでサイレンサーがエキパイに固定してあるので、こちらはボルトが外れる位緩めてしまっても良いです。
③マフラーの固定ボルトを外す
マフラーの下に2箇所でバイク本体にサイレンサーを固定してあります。
1/2インチ ヘックスソケットを使います。
フロントマフラーの排気にさらされて真っ黒に、、、
このボルトが一番苦戦すると思っていましたが、ラスペネ神のおかげか全くてこずらずあっさり緩みました。
ボルトを外すと固定しているものが無くなるので、サイレンサーがエキパイと連結管につながって、ステーに乗ってるだけの状態になりますので、マフラーを外す寸前まで緩くとめておいても良いと思います。
④エキパイの固定ボルトを緩める
このボルトを緩めなくても外れるらしいですが、自分の場合は緩めないとサイレンサーが上下左右に全く動かず本体の連結管のところが外せませんでした。
⑤マフラーの取り外し
これでサイレンサーを固定しているものは無くなりました。
2004年式のスポーツスターの場合、サイレンサーを少し手前に引いて、横から出ている連結管との接続を本体から外した後エキパイから引き抜きますが、
全然抜けねぇ・・・
サイレンサーとエキパイの隙間にラスペネを注入しつつ、エキパイを押さえながらサイレンサーを上下左右にガタガタさせて少しずつ少しずつ抜いていきました。
エキパイを押さえないで無理にサイレンサーを引っ張るとエキパイ側を固定しているボルトがイカれるので、そちらにできるだけ負荷がかからないように、ちょっとズレたら隙間にラスペネ注入を繰り返すこと30分位でしょうか、、、
ようやく外れました。
フロントもリアと同様の手順で外せます。
ただしフロント側はエキパイのボルトを緩めなくても外せると思います。
マフラー(サイレンサー)の取り付け
一見同じ形に見えますが、マフラーはフロント用、リア用がありボルトの穴の位置も微妙に違うので間違えないようにしてください。
元のマフラーについていたガスケットはボロボロになっているので、新しいものを取り付ける必要があります。
インターコネクトガスケット
連結管側に付けておいて、サイレンサーをはめ込むようにすると取り付けしやすいです。
またボルトは熱で焼きつくので、固定する際にアンチシーズを塗っておくと次回外す時に楽になります。
LOCTITE(ロックタイト) 焼き付き防止潤滑剤 耐熱タイプ
取り付けは基本的に取り外しと逆の手順で行えば問題無いです。
一見同じように見えますがマフラーはフロント用とリア用が有り、ボルトの位置も微妙に違うので取り付けする時に間違えないように注意してください。
ようやく付きました。
なんだかんだで作業に1時間半位かかってしまいました。
マフラーを付け替えるとバイクの雰囲気がガラリと変わって気持ち良いですね。