海外での評判が微妙なキャッツですが、大好きなミュージカルなので「前評判なんて関係ないぜ！」と公開初日に早速観てきました！
ネタバレはできるだけ含まないように感想を書きたいと思います。
映画版キャッツと言えば、トレーラーの時点で気持ちの悪いビジュアルに公開前から話題になりましたが。
前評判のせいか、平日とは言え公開初日なのにまばらな客入りでした。
開演前から期待が高まるぜ！（大丈夫かな・・・）
感想を一言で言うと。
「勿体ない映画」
ジェームズ・コーデンや、レベル・ウィルソンといったワシ好みの俳優さんや、ジュディ・デンチ、イアン・マッケラン、イドリス・エルバ、極めつけにテイラー・スウィフト、ジェイソン・デルーロ、ジェニファー・ハドソンとかなり豪華キャスト。
しかし、しかしですよ。
擁護できない程キャラクターが気持ち悪い。
そして汚い。
Wikiによればハリウッド・リポーターで
「その中心的なビジュアル・コンセプトの大きな誤解によって邪魔されている」
と酷評されている通り、顔だけ変に人間っぽいキャラクターがする猫の所作が生臭い。
こうゆうキャラデザって30分も観ていれば映画に慣れてきて、なんか可愛く見えてきたりするもんだが、この映画では最後まで違和感が取れず気持ち悪い。
そして野良猫がいるであろう裏通りの汚い感じとかが悪い意味でリアル。
好みの俳優がメインのはずのガンビー・キャットとバストファー・ジョーンズのシーンで思わず顔をしかめてしまうという屈辱。。。
キャッツという成功が約束されたコンテンツを映画化するにあたって、「単純に猫をCGでリアルに表現するのでは作品としてのオリジナリティが無い」とでも思ったのかもしれない。
それゆえ新鮮さ、斬新さを出そうとこねくり回しているうちにゲシュタルト崩壊したか。。。
とはいえビクトリア役のフランチェスカ・ヘイワードやマンカストラップ役のロビー・フェアチャイルドはじめ、ダンスも素晴らしく、歌や踊りのパフォーマンスはとても良い。
それだけに非常に「勿体ない映画」に仕上がってしまったと思います。
映画化ということで、かなりリアルな映像を追求しているのかもしれない。
だからと言ってリアルにする方向性が違うんじゃないの？
って印象。
映画版「オペラ座の怪人」ではオープニングシーンやThink of me、Masqueradeの演出のように、映画だからこそ出来る表現をするところに映像化の醍醐味もあると思う。
反して今回のキャッツは歌詞の内容を馬鹿正直に映像で表現しているだけで、想像力を掻き立てられない。
あまりミュージカル映画に向いていない監督なのかなぁと感じた。
同監督の「英国王のスピーチ」は良い映画だったし。
猫独特の足を開いたり体を掻いたりする仕草や、猫同士の顔と顔を近づける動作をモジモジ君みたいな顔だけ人間の変なキャラがやると、目を背けたくなるほど汚く、映画に集中しようにも現実に戻され、ミュージカルとしての”華やかさ”や”ワクワク感”がことごとく水を差されてしまう。
舞台のメイクや衣装は猫と人間の境い目を絶妙なバランスで作っているんだなぁというのを改めて実感した。
何度も言うが本当に「勿体ない映画」だと思う。
またここからは完全に好みの問題なので良し悪しの話ではないですが、
ラム・タム・タガーが自分の持つイメージと合わなかった。
自分の中ではこのイメージのラム・タムがパーフェクトなので
最後までジェイソン・デルーロのラム・タム・タガーがしっくり来なかった。
はぁカッコ良すぎる・・
ちなみにこのラム・タム版キャッツはDVDで観ることができます。
こちらのキャッツは個人的には大変素晴らしい作品。
映画化というより舞台の映像化という言い方の方が正しい作品ですが、メイキングを見るとアンドリュー・ロイド・ウェバーも制作に深く関わっているようで、完成度が高いです。
正直何回観たか覚えていない位、何度も観てます。
Amazon Primeで動画も配信しています。
映画版のキャッツでダメだと思った方は是非こちらを観て違いを感じてもらえればと思う。
DVDの購入はコチラ
スキンブル・シャンクスのタップを使った演出は面白いし凄く良かった。
でも恰好は真っ赤な帽子と吊りズボンでスーパー・マリオかな？って感じでしっくり来ない。
猫達が作る機関車の演出がどうなるのか凄い楽しみにしてたのに・・・
等々、色々とビジュアル面の好みが合わない。
各々キャラクターの魅力が出し切れておらず愛着が沸かないのもちょっと残念でした。
ストーリーについては元々の舞台版にほぼ沿ってると思うので、個人的には違和感が無いですが、元々演出メインのストーリー性の少ない話なので、キャッツ自体を映画版が初めてという人には、もしかしたらちょっと「え？ なんなん？」って思うかも。
映画自体は猫化CGが気持ち悪いのを除けばミュージカルとしては悪くないと思います。
そこが気にならない人には有りではないかと思います。